月島慕情 「浅田次郎」 [本 そして 時々映画? かな ???]
読み直しです
浅田次郎の「月島慕情」
最終ページを見ると 2009年第1刷となっておりまして
全7作が収まる短編集です
[月島慕情]
三十路を過ぎた吉原の花魁 ミノに降ってわいた身受け話
おめかしをし 喜び勇んで男の家へ向かう
その途中
肉屋でお金が足りず 困っている子供に出逢う
お金をあげて肉を買い
そして家まで付いて行くと なんと その家は?
「あたしね
この世にきれいごとなんて ひとっつもないんだって よくわかったの」
そんな言葉が 寂しく心に残ります
[供物]
暴力に耐えかね離婚
そして 再婚して幸せに暮らす初枝
そんな初枝に 元の夫の訃報が届く
供え物のワインを持って 弔問に行った帰りに出会った男は
今の夫は知らない 初枝と元夫の間に出来た息子の言葉
「俺も女房も ワインしか飲まねえんだ」
気乗りのしなかった弔問だったが 不思議な親子の縁が・・・
[雪鰻]
自衛隊の師団長が大雪の中
泥酔状態で駐屯地に帰団する
そして 何故か師団長は 鰻の蒲焼を手土産に持っている
「鰻は食えよ お茶は俺が入れてやる 今晩は お前が師団長で俺が副長だ!」
泥酔しながら とつとつと大東亜戦争中の話が始まる
日本の敗北が決定的な時
南方の最前線で 連合国というより 飢餓と病気と戦っていた師団長
ある時 後方の安全な場所に呼ばれる
そこは宮様に 今の戦況を報告する会
会場には 宮内省御用達の鰻重がテーブルに
居並ぶは 奇麗な軍服を着た司令官たち
周りから煙たかれる様な 汚い制服を着た師団長
どうでもいい眉唾の報告が終わり 次は師団長の報告という時
おもむろに 「頂きます!」
と 呆気にとられる周りを気にせず鰻重を平らげ
そして
置いてあったエビスビールを一気飲みし ゲップをして 再び最前線へ戻る
話が終わり 雪の中を帰る師団長
私は見送りながら敬礼をし 思わず声を掛ける
「閣下」
「何用か」
「ごちそうさまでした」
今も脈々と
日本の企業(東芝やタカタ等の 欠陥隠蔽体質)に繋がっているのかもしれません
他
[インセクト][冬の星座][めぐりあい][シューシャインボーイ]
を含む 珠玉の短編集
前に記事にした「一路」より 浅田次郎の真髄 ここにあり
(◎o◎)b
と 私は思える小説です
一話読み終える毎に (つД` かも?
え! 浅田次郎を知らない?
2006年(平成18年)に放映された映画
の 原作者なのであります
( ̄^ ̄)ゞ
コメント 0